お知らせ

2022/06/05

活動報告

リベラル・アンサンブル・オーケストラ第14回演奏会に行きました

こんにちは、運営の加藤です。先日、リベラル・アンサンブル・オーケストラ、通称「LEO」さんの演奏会に行きました。

LEOは東京を拠点とするアマチュアオーケストラで、プロアマ問わず色んな演奏家が活動しているそうです。第14回演奏会の会場はなかのZERO、JR中野駅から5分ほど歩いたところにあります。この会場に行くのは初めてでしたが、地域に愛されている感じがする素敵なホールでした♪

なかのZERO
第14回演奏会のプログラムはムソルグスキー『禿山の一夜』、プロコフィエフ『交響的物語「ピーターと狼」』、リムスキー=コルサコフ『交響組曲「シェヘラザード」』。3つの物語にもとづく楽曲による楽しいプログラムです。当団が今回の演奏会でシェヘラザードを取り上げるためお目当てはこの曲だったのですが、3曲とも非常に完成度が高く、とても驚きました!
なかのZERO 大ホール

まずは「禿山の一夜」。
《はげ山に現れた死神チェルノボーグ手下の魔物や幽霊と大騒ぎを繰り広げ、やがて夜明けを告げる鐘の音が響くと魔物は消え去りいつも通りの朝を迎える。》冒頭の不気味な雰囲気、魔物たちが荒々しく踊る場面、そして穏やかで美しい、まるで夢だったかのような最後という情景の移り変わりが浮かぶ名演でした。

続いては「ピーターと狼」。
《森の牧場でおじいさんと住む少年ピーターはある日、扉を閉め忘れ動物たちを逃がしてしまいます。そこに狼が現れ動物たちは逃げ出しますが、アヒルが捕まり丸呑みされてしまいます。ピーターはアヒルを救うために小鳥と協力します。小鳥が狼を引きつけ、その間にピーターが狼をロープで捕らえます。そこへ銃を持った狩人がやってきたので、ピーターは協力を求め、狼を退治することができました。丸呑みされたアヒルは狼のお腹から無事救出されるのでした。》
この曲は子供たちのための音楽として、おとぎ話で楽器の名前や音色を教えることができるように作られています。そのため物語の登場人物が楽器で表現されています。ピーターは弦楽器、おじいさんはファゴット、小鳥はフルート、アヒルはオーボエ、猫はクラリネット、狼はホルン、狩人はティンパニです。
今回はこの曲を語り付きで鑑賞することができました。語りはヴァイオリニストの西浦詩織さん。とても綺麗な声で、語りだけでも贅沢な時間…。オーケストラによくあるプルトではなく、語りと各登場人物の楽器が最前列に並んだプルトだったので、どんなキャラクターがいるのか分かりやすかったです。曲が始まる前に、西浦さんの語りと共に登場人物が自己紹介でフレーズを演奏していくのも斬新で、面白いアイデアでした。各楽器のコンチェルトを聞いているみたいで、自己紹介から耳が幸せでした。

最後はメインの「シェヘラザード」。
《昔々、サーサーン朝のシャフリヤールという王は、妻の不貞がきっかけで女性不信となり、街の生娘を宮殿に呼び一夜を過ごしては、翌朝にはその首をはねるということを繰り返した。見かねた臣下の娘シェヘラザードが名乗り出て、これを止めるため、王の元に嫁ぎ妻となった。シェヘラザードは命がけで、毎夜、王に興味深い物語を語るが、話が佳境に入ったところで「続きはまた明日」そして「明日はもっと面白い」と話を打ち切る。王は話の続きが聞きたくてシェヘラザードを生かし続けて1000日。ついにシェヘラザードは王の悪習を止めさせる。》
アラビアンナイト(千夜一夜物語)を舞台とした物語で、シェヘラザードが王に語る話を元に音楽が作られています。この曲のヴァイオリンsoloはコンサートマスターの崎谷直人先生。まず驚いたのが、ヴァイオリンの音色です。男性とは思えないほど細くて艶のある糸のような音。それもしなやかで芯のある糸で、シェヘラザードの美しい女性らしさが見事に表現されていました。個人的にこの曲のヴァイオリンは鮮烈で強く、豪快なイメージがあったのでそれを覆されたというか、いい意味で衝撃。音色による表現の幅広さを知り、世界が広がったような感じがしました。

コンサートマスターが素晴らしいのはもちろん、各楽器も本当にレベルが高い。それぞれのsoloだけでなくアンサンブルやtuttiも丁寧に作られていて、物語を途切れさせない。特に好きだったのはフルートとクラリネットです。シェヘラザードはこの2パートで同じメロディやハーモニーを演奏することが多いので注目して聞いていたのですが、技量とアンサンブル力の高さに驚きました。清らかな水のように透き通った音色。ホールと客席の見えない壁を越えて、すっと耳に届く音。連符やタンギング、高音があり難曲のはずなのにそう思わせない理想の演奏でした。お客さんとしても感動しましたが、奏者としてもこんな演奏ができるようになりたいと思いました…!曲全体を通して音色、テンポや音量の緩急、楽器間の呼吸が心地よく、最後まで物語に浸ることのできる幸せな時間でした。本当にこの演奏会に行くことができてよかったです。

WOODBERRY COFFEE 荻窪店
バスクチーズケーキ

大満足の演奏の後は、荻窪のWOODBERRY COFFEEで一息。木の温もりと緑を感じられるお店で、バスクチーズケーキがすごく美味しかったです。
当団の演奏会まで約2ヶ月、日々の練習を楽しみつつ本番まで頑張ります。

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